〜 春のイギリス プライベートガーデン 〜
“至福のガーデン”VANN, Hambledon, Surry, England
取材・文/ 青木 香奈
 
 

だいぶ掲載が遅れて季節はずれになってしまいましたが、イギリスで、もう絶対に春だと疑う余地のなくなった4 月の始め、カラフルな春の花の誘いに我慢できなくなり、ロン ドンの南、ガーデンデザイナーとして歴史に名高いガートルー ド・ジーキルによって造られたウォーターガーデンのあるプラ イベートガーデンに足を運んでみました。

ここは私邸であるのでナショナル ガーデンスキム(ボランティ アで個人のガーデンを一般に公開し、その入場料を寄付にまわ す団体)によってガーデンがより美しさを増す春と初夏に合計 数週の間一般に開放されています。

大きな建物の裏側にまわると、「かわいいー!!」と歓声をあ げてしまいました。広い芝生と大きいどっしりとした石造りの パーゴラ、そしてその奥にはウッドランドに続く池と小川が全 部同時に視野に入ってきて、その池の周りのたくさんの小さな 球根たちがとてもかわいらしかったからです。

その小さな球根類は主に、バイモの仲間、山地に育つキンポウ ゲやアネモネなどです。 色の配分はさすがで、ごちゃごちゃし過ぎない絶妙の割合で小 花がウッドランドのしっとりとした美しさに華やかさを加えて います。この自然な雰囲気は日本で自生する山野草でも再現で きますね。


Fritillaria meleagris
日本のバイモの仲間

Anemone syvestris
日本の
イチリンソウの仲間
Ranunculus
日本の
リュウキンカの仲間

ウォーターガーデンの始まりはフォーマルなデザインになって います。水路の両側は左右対称な植え込みで整然と刈り込んだ イチイの間に小さな宿根草たちが覗いています。今の時期アク セントになっているのは、青さが際立つプルモナリアです。こ の写真の青い花のカーペットはこの花です。

パーゴラには、今の季節はあまり目立つものがありませんでし たが、すべての植物から、今から一気にはじける生長力を凝縮 させている気配をひしひしと感じました。ひとつ私の目を引い たのはユーフォルビアです。石の柱の元に動きと迫力を加えて 緑色の花もガーデンの春の雰囲気にとてもマッチしています。

Pulmonaria angustifolia
プルモナリア アングスティフォリア
Euhorbia
ユーフォルビア

4月の始めのこの庭自体は、多くの植物がまだ眠っているか、 やっと芽を出したところです。 それにもかかわらず、訪れる者を十分満足させ、こんなに幸せ な気分にさせるのはさすがジーキルのマジックなのか…。深 く構成された歴史ある庭の風格を感じました。

ここの持ち主が書いたガーデンリーフレットによると、もう少 し季節が進めば、藤、ギボウシ、バラなどと他の宿根草でにぎやかになり、ガーデンの顔がガラット変わるそうです。


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